米食品医薬品局（ＦＤＡ）は１６日、トランス脂肪酸を、２０１８年６月までに食品添加物から全廃すると発表しました。
トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものがあります。
天然では、
牛や羊などのはんすう動物の胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品
の中に微量のトランス脂肪酸が含まれています。
加工。精製する工程としては、常温で液体の植物油や魚油のから半固体又は固体の油脂を製造する加工技術の一つである「水素添加」によってトランス脂肪酸が生成する場合があります
水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれています。
また、サラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれています。
脂質
は三大栄養素の一つであり、食品からとる量が少なすぎると健康リスクを高めることがあります。しかし、トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられています。
トランス脂肪酸を取る量が多いと、血液中のLDLコレステロールが増えたり、動脈硬化や心臓病のリスクを高めるとされています。
日本の状況はどうなのでしょうか？
ＷＨＯは、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の１％未満にするように勧告していますが、日本人の平均の摂取量は０．３％と推計されていて、内閣府の食品安全委員会は、「日本人の摂取量は少なく、通常の食生活では健康への影響は少ない」としています。
しかしこの数値は平均値で、脂質をよく摂取する人はトランス脂肪酸の摂取量も多いようです。
現時点では、日本において食品中のトランス脂肪酸
について、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。しかし、最近では、日本でも食品事業者による自主的な努力によって、トランス脂肪酸の含有量が従来よりも少ない食品が販売されたりしています。
脂質の摂り過ぎに注意しバランスのとれた食生活を送ることが健康のために大切です。
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