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地下鉄サリン事件で使われた「サリン」とは

■2015/03/20 地下鉄サリン事件で使われた「サリン」とは
今日で、地下鉄サリン事件から20年が経過しましたが、いまだに後遺症で苦しんでいる方々が存在します。

許しがたき無差別テロ事件として当時多くのメディアに連日取り上げられていましたが、時がたつと共に風化し、事件そのものを知らない世代も増えてきています。

この事件で使用された「サリン」とは猛毒の恐ろしい毒ガスです。

サリンはナチスドイツが開発した化学兵器で、神経ガスに分類される毒ガスです。無色、無臭の液体または蒸気で、非常に作用が速く、吸入、皮膚曝露(ばくろ)、経口のいずれによっても吸収されます。

サリンは不可逆的(元にもどらない)にコリンエステラーゼと結合し、自律神経節、中枢神経系、神経筋接合部にアセチルコリンを蓄積させ、中毒症状を引き起こします。

液体の皮膚曝露時のヒト最小致死量は、0・01mgkgと極めて少量で、極微量の滴下で死亡します。また、散布時のヒト吸入半数致死濃度(LC50)は70mgm3です。


このように微量で人を死に至らしめる猛毒です。

その中毒症状の現れ方は、縮瞳(しゅくどう)は必ず起こり、軽症の場合では薄暗いとか、ぼんやりするなどの視覚障害を訴えます。重症度に応じて鼻汁(びじゅう)・流涎(りゅうぜん)(よだれ)→気管支れん縮→分泌亢進→呼吸障害→けいれん→呼吸停止を示します。

後遺症には、主に心的外傷後ストレス障害などの精神的なものと、目がかすむ。身体がだるい、熱がでるなどの軽微なものから完全に身体を動かせないほどの重度なものまであります。

身体的後遺症の原因は中枢神経系や副交感神経の回復不能な損傷と言われています。

20年経過した今日に至っても回復が見られない事例が多く、一生涯にわたる障害になるものと思われています。


このような猛毒をラッシュ時の地下鉄車内で撒いた地下鉄サリン事件によって現在も多くの方が苦しんでいることを伝えていかなくてはならないと思います。


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